9時、ホテルのレストランでのんびり朝食。小雨に煙る眼下の名古屋駅を見下ろしていると、50年前に名古屋鉄道管理局で3ヶ月間実習していたときのことを思い出す。
当時の国鉄に入社した施設系統の同期は19名で、入社早々東京の研修所に3ヶ月間入所。その後採用エリアごとにグループ分けされ、私は中部エリアの同期3名と名古屋駅近くの独身寮に移り、3ヶ月間の現場実習が始まったのである。長くて1週間、短いときには1日だけという当時の国鉄の全職場を回るので、この名古屋駅と名鉄、近鉄地下街、正面の大名古屋ビルは毎日歩いていた。あれから50年、駅はすっかり様変わりをしているのも当たり前か。
11時、ホテルをチェックアウトし、ロビーで同期のJくんがやってくるのを待つ。彼とは5年ぐらい前に北陸新幹線建設工事出張の折にあうん堂で会っており、しばらくロビーで近況を歓談。
昼食を(名古屋駅の)ツインタワーでどう? と言われ、昔歩いた地下街を抜け駅コンコースに抜けていく。店はすっかり変わっているものの、通路の天井の低いいことやコンコースに入る階段はまったく変わっていないねえ、とJ君と話しながらレストラン街で早めの昼食。お互い保線職場や国鉄本社勤務など共通点が多いこともあって昔話が弾む。
午後、私の希望で名鉄電車で岐阜に移動。J君は大垣出身だが今は多治見市に住んでおり、名鉄に乗ることないから、と乗り場を探してウロウロ。
柳ヶ瀬にある古本屋<徒然舎>を訪ね、店主の奥様にご挨拶。初期の「BOOKDAYとやま」でお会いしたこともあり、岐阜古書組合の現状など興味深い話で盛り上がる。人通りの少ない商店街を抜けて岐阜駅に向かい、ここで岐阜在住で同期のS君と待ち合わせる。彼とはかれこれ40年ぶりに会うので、わかるかな? と思いきや面影も話し方もまったく変わってはいない。
駅ナカの居酒屋でビールを飲みながら70歳のじいさんが、私のスマホに取り込んできた50年前の実習で4人揃って撮った写真を前に、あれこれ思い出して楽しく語り合っているという光景は、はたから見るとどう映るのかなあ。写真に写っていいるもう一人のY君は研修後の配属先である広島で24歳で亡くなったことが残念である。
16時半、駅の改札口で二人と別れ、いつでも会えると思う友人は会えるときに会いに行ってよかった、と思いながら「しらさぎ」がホームに入ってくるのを待つ。 |